木鶏

キセイシという調鶏師に皇帝が負けない鶏を作れと言われた。

皇帝が10日目に尋ねた。するとキセイシが答えた。

「まだダメです。チンピラのように肩で風を切って歩きます。」

20日目に再度皇帝がキセイシに尋ねた。するとキセイシが答えた。

「まだまだダメです。相手の挑発に乗ります。」

30日目に皇帝が尋ねるとキセイシが答えた。

「もう大丈夫です。肩で風を切って歩くこともなく、相手がかかってきても挑発にも乗りません。すると相手は諦めクルっと回り後ろ向きになり立ち去ってしいます。だから決して負けることのない鶏ができました。」

これは「戦いに勝つ鶏が一番強い鶏」という固定観念があるが、「戦わずして勝つ鶏が決して負けることのない鶏だ」と言う事を教えている。

もっと深く探求すると、「戦いに勝つ鶏が一番強い鶏」という人生の中で築き上げてきた固定観念を捨てた所に物事の真髄はあるという事である。つまり「絶えず固定観念を捨て去る努力が必要だ」ということを教えている。

例えは多少異なるが(笑)、私は毎日フィットネスへ行くと決めている。フィットネスへは15年前の40才の時からサーキットへ行く週末以外とフィトネス自体の休館日以外は雪が積もっていようが台風だろうが道路がゲリラ豪雨などで冠水していようが、熱があろうが、どんなに体調が悪くとも必ず毎日行く。そして5年前の50才の時から毎日5Kmを時速10 Kmで走るが、最後の200mだけは時速15kmにしてダッシュすることにしている。コロナ禍の現在はマスクを着けて走り、抗菌手袋をはめたままで完走している。すると4kmを過ぎだ時点で苦しくて苦しくてたまらない。まるで現実の世界なのか、ここが何処なのかわからなくなる。だから走ったままスピードを落とすことなくその時点で給水する。これまで走ってきた心拍数を下げたくないからそうしている。恐らくゆうに心拍数は180は超えている。そしてラスト200mの時点でダッシュして5kmをフィニッシュする。

なぜそうしているかわかりますか?

それは、自分の限界を越えたところで勝負は決まる!と考えているからです。

物事全てそうだ!何をするにしても、自分の知っている、自分の経験則などは鼻くそみたいなものだ!と思っている。勝者はいつも大衆の固定観念、己の限界値を越えたところで勝負するものだ!そう自分自身の肝に毎日銘じるために走っているのです。すると不思議なもので己の限界値がどんどん右肩上がりで上がって行くのを感じている。

写真は今朝の朝陽。曇りの朝も雨の日、嵐の日、雪吹きすさぶ朝だって毎日、毎朝、陽は昇る。それは世界のどこにいても。いつも太陽が応援してくれている!

さあ!今日も頑張ろう。